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カバークランキングとMBXを語る その2 [販売]

前回からの続きです。



カバークランキングで一番勘違いしやすいフィールドは
リザーバーだと思います。




こちらの稚拙なイラストをご覧ください。




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この場合はあまりMBXのカバークランキング向けではありません。
一見、バスが簡単に釣れそうなオーバーハング下です。
うまく隙間にスーッと入って、「これは釣れたも同然!」
と思うところですがルアーの潜行レンジが浅いので、
この水深ではカバーに近づくことができないため、
バスを欺くことはできません。
シェードになっているからといって、この手のルアーを食う無垢なバスは少ないはず。
まだ、ウエイク気味に泳がせた方が可能性があります。

それがこうなると話は変わります。





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良いですね~。
つまり、水深が浅くなっていれば、
成立しやすくなるという話です。
シーズン中だと、これに水通しが良いという条件が入れば、
かなり美味しいですね。


似た状況で、こちらの状況はどうでしょうか?



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ティンバー(立木)です。
個人的にはあまりいい思いをしたことがありません…。
枝にラインが乗って、いい感じにクランクを引けないのと
バスの付き場を正確に把握しにくいという理由から
釣りをしていてフワフワ感があるんですよね…。


でもこうなると話は変わります。



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減水した時の亀山で結構釣りました。
主にレンジにおいて、
バスとクランクベイトが出会う可能性が高まるのと、
もう一つ重要な違いがあります。

それはリザーバーは減水すると濁るということ。
これにより、カバークランキングは成立しやすくなります。







あと、この場合だとどうでしょう。





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これもレイダウンの下にバスが付いているので、
可能性があります。
無理矢理レイダウンに当てる必要はありません。
ギリギリを通しても、十分食ってきます。
なぜかというと、「カバーが絡む=バスの視界は悪い」という条件が
すでに存在するので、バスを欺くことが可能になるからです。

じゃあ、普通のフラットサイドでも良いのでは?
と思った方は鋭い!!


それがいわゆるフィネスカバークランキングなんです。
でも引っかかり易いがゆえに難しい。
キャスト精度とリトリーブのコントロールに自信があれば、
例えば、プレッシャーが高いフィールドでは非常に有効になります。
もともと持っているクランクベイトのDNAは最低限の回避性能も持ち合わせます。
その最低限の回避性能を使って、カバー回りを釣るというのは、
これまた奥の深い釣りです。

カバークランキングは基本的にボートなどの浮きものに乗ってやる釣りですが、
これはさらにその傾向が強いというか、
そうしなければかなりの出費を強いられることになります…。


高浮力で幅広のラウンドボディーを使う理由は回避性能を上げたいためです。
それにより、引っかかる確率は下がり、リズム感のある釣りが可能になります。

フィネスカバークランキングが無理な時もあります。
それは風が強い時です。
いくらキャストに自信があっても
強風下では思った通りにコントロールすることは困難になります。

でもラウンドボディーの優れたキャスタビリティーがあれば、
そこの難易度が下がります。
つまり、自分のスキルとプレッシャーや風などのフィールドの状況に合わせて、
今できるカバークランキングをやれば良いと思うのです。


MBXの仕様は、少々の風をもろともせずに、
狙ったピンポイントにキャストしやすくて、
カバー回避に特化した、高浮力でワイドウォブルなアクションを持つ
典型的なカバークランクです。

対して、フラットサイド系のクランクの場合は、
キャスタビリティーが落ちて、回避性能も低下する代わりに食わせ易くなる…

という整理の仕方が分かり易いかと思います。


話を戻して、リザーバーのカバークランキングですが、
これははやり上流域の浅いエリアの方が可能性が高まります。
それも濁りがある時です。
湖の状況をパッと見て、このエリアは効きそうだ…ここは別のルアーで…
と判断できるようになるまで、いろんなところで使ってみることが勉強になりますね。
もちろん、私も勉強中です(^^)





次は、関東平野に多いリーズ系のレイク。
一番釣り易いのは、アシが伸びる前のアシ株だけが水面下に残っている早春から
新芽がパラパラと生えている時期までです。


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春先、水温が上がってきてシャローに上がってきたバスは、
こうしたところに当然入ってきます。
通常はテキサスや高比重ワームのノーシンカー、
スピナーベイトなどで狙うところですが、
クランクベイトの釣りも楽しめます。

腐ったアシが残っている場合もあって、
それがまとわりつく時もありますが、
基本的にクランクベイトの回避性能が十分に発揮されるシチュエーションです。


そして、アシが伸びてきて、
リトリーブコースの自由度がなくなる時期。
関東で言えば4月下旬~5月上旬くらいでしょうか。
こうなると、より正確なキャストが要求されます。
リトリーブコースを見つけて、ラインメンディングしながら
なるべくリーズとの接触回数を減らすことがリズムを崩さない釣りに繋がります。

ポケットやプール、またはそこへ繋がる細い道状のオープンスペースは
十分な可能性を秘めたポイントになります。
この場合は短い距離でも無理矢理入れて、泳がせてみるのも面白いです。
泳ぎ出しが良い固定ウエイトのバルサクランクならではの釣法。

これはバージンインパクトが期待できます。
まさか、こんな小さなスペースにクランクを入れる人はいないだろう…
というところに入れます。ややウエイク気味のスイムになりますが、
水面が割れる可能性にワクワクできます。

また、私はあえて無理にアシに当てないで
際をトレースすることもよくあります。

カバークランクは何かに当てて、イレギュラーなアクションをさせて、
リアクションバイトさせる釣りが想像されます。
これは王道です。
でもこうしたごちゃごちゃした場所の「際」を通し、
視界が悪いことを利用したリアクションバイトの誘発も
同様にカバークランキングのひとつと考えます。
さっきも似たようなことを書きましたが…。




話が少しずれましたが、
アシのカバークランキングで、
ルアーが引っかかり易いシチュエーションとして、
代表的なのがこれです。




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これはレイダウン(竹なども含む)を釣る場合の
これと似ています。



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これはクランクベイトに限らず、
ルアーが引っかかり易くなる典型的な例です。

狭いスペースに誘導されて、
最後のV字のところで「キュ」と身動きが取れなくなって、
ガッチリ嵌った際には救出に向かうことになります。


ではどうすれば良いかというと、
ラインがそのV字部分に誘導されている場合、
その手前で一回クランクベイトを浮上させます。

完全に浮いたところで、
ロッドを高い位置に上げて、上に軽く煽るとクリアできることが多いです。

これと似た感じの回避の基礎としては、
水面下のカバーにスタックした時の回避があります。
単純にスタックした瞬間(同時に生命体ではないと判断)に、
リトリーブを止め、その浮力を利用して浮上させて回避する方法があります。

様々な沈みものが多く存在する
新利根川あたりではすごく使います。

このスタックした瞬間の感触でその対象物を特定する能力も重要で、
繊維系独特の柔らかい感じのスタックだと、
いかにルアーを食い込ませないか…というのが大事になります。
硬質な感触で一瞬にして動かなくなった時は、
蛇籠とか、先程のV字状のものに嵌った可能性が高いです。





話をアシに戻して、かなり頻繁にあるこれ。


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これはそのまま巻いて来ても回避可能ですが、
あまり場を荒らしたくない場合や、
慎重にかわしたい時は先程と同様にトップまで浮かせて、
軽い力でやや上方向に煽れば簡単にかわせます。
私はケースバイケースでかわし方を変えています。


むやみに引っ掛けないで、場を荒らさず、
釣りのリズムを崩さないことも
カバークランキングの神髄のひとつだと思います。





暑くなって来て、隙間がなくなってきた時や
霞ヶ浦水系などの奥行きのないアシの場合、
アシ際は壁のような存在になります。

この場合は、ボート前提ですが、
平行気味にキャストして、
なるべくアシ際を長く引けるトレースコースを作ったり、
有望なスポットに絡めるコースを考えてながら、丁寧にクランキングします。

「絡める」でよくあるシチュエーションはこんな感じ。



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まず、バックハンドで外側から内側にティップを回して、
このような軌道でありがちなアシの小さな岬の向こうキャストします。
外側から内側に回すことで、このような軌跡を描き易くなります。





このキャスト後に、
その岬の先に奥行きがある場合は、
今度はフォアハンドで、さらに奥に入れてフォーローします。




IMG_6559.jpg




ラインメンディングも使いながら、
丁寧にリトリーブコースをコントロールします。

○で囲ったところは、先に撃つか、最後に際を泳がすかは、
その時の判断でやってます。


普通にショアに対して直角に近い角度でクランクベイトを引く行為は、
基本的に無駄が多くて、狙いがはっきりしているなら、
そこに長くトレースコースを持たせる工夫が大切です。




最後にリップラップ。
MBXでリップラップを釣る場合は、潜行深度の関係から
ほぼショアライン寄りの浅いエリアに限られます。
石の上っ面が1mを超えるような水深にある場合は
別のクランクを使った方が懸命です。

リップラップの釣りはいかに軽く上っ面をかすめて行くか…
というのが重要で、突っ込ませ過ぎるとスタックするのと、
経験上あまり釣れません…。
去年の八郎潟では、あえて当てないで
フラットサイドクランクを使う使い方が良かったです。
いつでもどこでもではなくて、ケースバイケースで使い分ける方が
絶対良い結果に繋がります。



最後にいわゆる代表的なウッドカバーと言える
レイダウンとスタンプについてですが、
レイダウンではやはり太い幹についている場合が多いですし、
根元側に水深があれば、そこも可能性が高いです。
スタンプについては、そもそもがあまり存在していないので、
日本ではあまり語られる事もないですよね。
私も経験不足です…。



という感じに、関東でのリアルなカバークランキングをまとめてみました。
ウッドカバー用のクランクというカテゴリーである「MBX」ですが、
使い手によって、こうした様々なシチュエーションで使用できますので、
日本では使い道が少ないよね…と言わずに、ぜひ使っていただきたいクランクベイトです。

いろいろ書きましたが、
基本的に「濁り水」「カバー」「シャロー」というキーワードが揃えば、
可能性が高まるクランクベイトと思ってもらえれば良いと思います。
そして、ボリューム的にこの辺のサイズから上のクランクベイトは、
デカい魚が食う確率がすごく高いです。


最後に全く向いてないカバーの話。
固定されていないカバー(ウィード)などは藻ダルマになるので、おすすめしません(^^;)
どうしてもというならば、ゆっくりめに巻いてウエイクベイト的にお使いください。



以上、MBXで私がやっているカバークランキングの概要でした〜!
現在、3連休納品目指して頑張ってます!



次回は、MBXそのものについて書こうと思います。



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