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Flat Shad Baits / Little PT [市販ルアーなど]

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Flat Shad Baits。
言わずと知れたSonny McFarland氏による
カスタムクランクベイトメーカーです。



そして、何度か当ブログで登場しているLittle PT。
とあるご縁でまとまった数を一気に入手しました。

私、コレクターではないのですが、
資料として持っていたいというのと、
使ってそのルアーを理解しときたいという作り手目線な目的で
ルアーを入手しています。




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曇りガラスのようなビニールの簡易パッケージの端をハサミで切り、
テーブルの上にひとつひとつ露にしていくと、
照明の光を受けて、Flat Shad 特有の少しエッジの立ったサイドが
パール塗装の影響もあって、力強くキラッと光ったのがとても印象的でした。
カラー自体も雰囲気があって、なおかつ実釣でつぶしの効くカラーをオーダーしたので、
眺めても使っても楽しめるクオリティー(^^)


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健全なアングラーとしては、思わず笑顔になっている瞬間です。


多分皆さんと同じようにこのルアーを知ったのは
Basser誌の「秘密のクランクベイト」を見てからです。


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注目を集め口コミでその名が知られ始めた初期のものから
増産体制に移行した時のもの、
そして最終型になるまでいくつかのマイナーチェンジがあったと思われます。

そもそも、製作者であるSonny McFarland氏は今は引退して、
現在はJaw JackerのRob Cochran氏に生産を移行されています。
元々フィニッシュがキレイなJaw Jackerなので、
きっと安心して移行されたのだと推測されます(^^)




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こちらはそのJawJackerのクランクベイト。
タイトアクションなSSD。
丁寧なフィニッシュが印象的。

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元々繋がりのある両氏。
テールのフックハンガーが
Flat Sha Baits大量生産以降後のアイと似ています。


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話がちょっとズレました(^^;)





で、Sonnyメイドの最終ロット…と断言できませんが、
ほぼ最終ロットのLittle PTがこれらなわけです。





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似てるカラーがありますが、上から

●Neon Shad
●Chart Neon Shad
●Ghost Neon Shad

になります。
Neon系でまとめてみました。



Chart Neon Shadはほぼブラックバックチャートなんですが、
ショルダーにブラックベースのパールスケールを施すことで、
角度によって濃紺の怪しい光を放ちます。


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Neon ShadとGhost Neon Shadは
サイドから見るとほぼ同じカラー。


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でもバックから見ると濃度の差が結構あります。



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アメリカらしい細かいカラーラインナップですね。







そしてこちらの写真。






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もう1セット増えました。

でもこれ、別モデルです。
最初の写真のものがシダー製のオリジナルで、
2枚目で横に追加されたものがバルサ製のClassicモデルです。




見た目は一緒なんですが、
マニアックな知識として見分ける方法を。
もう知ってる人もいるかもですが…




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ラインタイの位置がClassicはリップにくっ付いています。

実際のアクションはバルサモデルの方がやや大きくて、
素材の違いによるアクションの変化+ラインタイの位置変更によるアクション変化
という違いがこのオリジナルとClassic間にはあります。
ただ、違いはあれどタイトアクションであることには変わりありません。

使用用途としては、Sonny McFarland氏が説明用にまとめた文章を要約すると
「スローリトリーブ時はシャッドのように左右にロールします。でもリトリーブスピードを上げるとアクションはパニックになって駆け抜けるベイトフィッシュのようによりタイトになるでしょう。」

だいたいこんな感じのことが書いてあります。

スローリトリーブすると、少しテールをフリフリしながら
ロールが混じったタイトなアクションをして、
スピードを上げていくと、ハイピッチでよりタイトなアクションに変化します。
何を目指したかがここに集約されています。

日本で言えば、山上湖などのクリアウォーターから
霞水系などのステインウォーターが水の入れ替わりや水温低下により
透明度の高くなっている時などにマッチします。
Little PTはそんな水域・時期において、バスの活性により、
スピードを調整してベイトフィッシュライクに使って欲しいクランクなわけです。
もちろん、クランクベイトである限り、最低限の回避性能はあるので、
ライトなカバーに絡めるたほうが、
ハイプレッシャーな日本のフィールドにはベターだと思います。

ちょうど今くらいの水温(8~15℃くらい)の時に
よく使われるタイプのクランクベイトで、
状況によってタフならスローに高活性ならスピーディーに、
そして低活性であればシダー、高活性ならバルサというように、
アクションの強さや浮上スピード(スローリトリーブ時のレンジキープ能力)の
違いを使い分けて行くというセオリーに基づいてラインナップされていると思われます。
こうまとめると非常に合理的なラインナップなのが実感できます。


ちなみに、スピードを上げていくとタイトになるタイプのクランクベイトは
結構あるんですけど、そこの調整をしたい場合は
リアのフックサイズを変えるのがお手軽です。
基本的にテールフックはウォブルの幅を調整できる位置に付いているので、
ここを重くする=負荷を掛けることで、よりタイトな傾向になっていきます。


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これはスピードを上げる事によって、その負荷がより影響してくるからで、
フックサイズを落とすことで、スピードアップ時の負荷の掛かり方を劇的に軽減できます。
なので、アクションを強く調整したい場合、
スピードアップしてもウォブルを維持したい場合、
フックサイズを下げるのが有効になってくるわけです。

これはアクションが弱いタイプのクランクベイトに顕著な特性になりますので、
全てのクランクベイトに当てはまるものではありません。




日本のクランクベイトでこうしたタイトアクションのものは少ないです。
理由は簡単で売れないからなんだと思います。

日本の場合は例えば低水温期やタフった時は
タイトアクションなフラットサイドクランクではなく、
シャッドに手が伸びますよね。
実際、そうした時のシャッドは釣れますし(^^;)

でも、そんな時にアメリカのクランクベイトの歴史を感じながら、
こうしたクランクベイトに手を出すのも良いと思いますよ(^^)



近いうちにSonny Bの記事も書きます(^^)


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