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ジョイントルアーの作り方 - その1 [ハンドメイドルアー製作]

予告通り、ジョイントルアーの作り方を
ざっとまとめてみようと思います。

ハンドメイドのジョイントルアーは
ある程度の数を作ると負担が大きいので、
最近は、自分が欲しいと思ったときだけ作るようにしてます。

ジョイントルアーの最大の利点は、
艶かしいリアルな動きと思われがちですが、
私の場合、ルアーを大きくできるというのが
最大の利点だと思ってます。

小さいものなら1ピースボディーでも十分騙せるのですが、
大きくなってくると、いろんなところに無理が出てくるんですよね。
それをジョイントでうまく吸収してあげて、
無理のない動きにすることで、使い勝手も良くなるし、
インパクトがあり過ぎない存在になります。


まずはサイズですが、
ディッピングによるトップコートを考えている場合、
大き過ぎるとビンに入らないので、
作業環境の確認が必要です。

あと、大きいと専用のタックルが必要になりますので、
「そこまでは…」という方は、普通の魚フォルムという前提で、
テールまで入れて170mmくらいが扱い易いです。

ただ、シンキングにする場合、相当のウエイトを入れることになるので、
そのサイズ内でもかなりのウエイトになるので、
その辺も考慮しながら設計するのが好ましいです。

そして、素材。
トップでキビキビ動かしたいのならバルサも有りです。
普通に使いたいならハードウッドが良いです。
私の場合ヒノキを多用します。
手に入れ易く、比重が丁度良いというのと、
加工も結構ラクです。


まずは型紙を作り、切り抜きます。
卓上糸ノコがあると超ラクですが、
無い場合は、大体の形にノコギリでカットして、
あとはカッターやナイフで形を整えます。

私の場合、左手でカッターを持ち、
右手の親指をカッターにあて、
押し出すようにしてカットします。
カッターの方向、角度などの調整は左手に一任して、
力は左手の力は補助的なもので、
右手の親指をメインに使います。

こうすることで、ハードウッドでもカッターで精度の高い削りが可能です。
あくまでも私のやり方なので、
ナイフで同様にやった方が良い人も居ると思います。
カッターの利点は、替え刃による切れ味の持続が容易というところ。
あと、私の場合、利き手が作業によって変わるので、
逆の方が多いかもです。


で、カットしたブランクのテールとヘッド側を少し細く削り、
その後、角を丸めて行きます。



P4177569.jpg


ちなみに写真の上の状態のものを1個確保しておくと、
同じものを後から作り易くなります。
ウエイトの位置なども記入しておくと便利です。



次に顔を掘ります。
鉛筆で顔を描き、それに沿って顔の造形を作ります。
彫刻刀が良いという人も居ますが、
私の場合は、先程のカッターでやります。
溝を掘るときはV字にカットします。


P4267677.jpg


目玉の凹みもカッターで大まかに削ってから
ルーターに円柱状のビットを付けて、
キレイに形を整えます。


西根さんがバサクラで実演した時は
ポンチでアイを開けてました。
多分それが王道かと思います(^^;)


この凹みは、入れるアイの大きさより
大きめにしておかないと、
後々コートが乗った時に入らない…なんてことが
起きますので注意です。
まあ、完成後に新たに掘り直しても良いのですが、
凹ませたところの壁に木目が出てしまいます。



次はジョイントルアーならではの苦行「分割」作業です。

ハードウッドが使われることが多いジョイントルアー。
この分割作業は便利ツールが無いと骨が折れます。
方法はいくつかあります。


私がやったことがある方法を羅列すると、


●カッターで切る
刃が折れるくらい力が入るのでとても危険。
そして超疲れます。
でも仕上がりは一番キレイ。

●カッターで筋を入れてからノコギリで切る
電動ツールが無い場合のオススメがこちら。
ノコギリはピラニア系の薄く細かい刃のものが良いと思います。

●カッターで筋を入れてから卓上糸ノコで切る
力を使うことはほぼないので、非常にラクですが、
カットラインを外しやすいので、精度がイマイチ。

●超音波カッターで切る
精度、安全性、ラク度のバランスが良いです。
刃の長さに制限があるので、
大きなボディーだと完全にカットできないかも…

●小人さんに切ってもらう
2ピースの場合は角砂糖を2個、
3ピースの場合は角砂糖を3個
寝る前にブランクと一緒に作業机に置いておけば、
翌朝、きれいにカットされています。

心が汚れている方の場合は、ただ蟻がたかるだけなので注意です!
信じるか信じないかはあなた次第!!



という感じです。



今回はたまたま超音波カッター(エコーテックZO-40W)
を借りているので、これでやってます。
事前に鉛筆でカットラインを描きます。
(今回は2ピースから3ピースに変更しました)


P6057896.jpg


P6057899.jpg


切れ味はバターのように切れるところと、
筋が堅くて刃が止まるところがあるので、
刃の入れ方と方向を変えながら、
カットしていきます。

ザクザクと刃が入っていきます。
恐るべし、超音波カッター(^^;)

熱が発生するので、カット面にコゲ痕が付きます。


P6057900.jpg



カット面をカッターで整えて、
場合によっては、木工パテで
カット面をキレイにします。
(尾びれのところはまた別途説明します)



P6057903.jpg



ウエイトを入れます。

電動ドリル、カッター、ルーターを使って、
お腹を掘削してウエイトを仕込みます。


P6057912.jpg


写真はウエイトを入れたあとに
木工パテでキレイに均した後のものです。
なぜ中央が空いているかというと、
ここにウエイトを追加する、しないで
フローティング→シンキングと素早く比重変化させるようにするため。
現場で簡単にチェンジすることを想定しています。

この辺のギミックはいろいろ考えると面白いですよ(^^)

ウエイトの入れる位置ですが、
このオイカワのバランスだと、
メインボディーにだけ入れることで、
ほぼ水平になります。
浮力の弱い後方のボディーには、
フックやステンワイヤーのウエイトが乗るので、
あえて鉛のウエイトを入れなくても良いです。
(尻下がりにしたい場合は別ですが)

ラインアイやフックハンガーをヒートンではなく、
ステンワイヤーにする場合は、予め入れておくのも良いです。
適度な穴を空けて、接着剤を充填、接着します。
強度はそれで問題ないです。
エポキシや瞬着で行けます。

万能系の接着剤は硬度が低い(弾力性がある)場合あるので、
強い力が長い時間加わると抜ける恐れがあります。


また、今回はヒレを付けるために
それ用の溝を掘ってます。



次はディッピング。
セルロースセメントで、下地を作ります。
回数や粘度はそれぞれ任意に調整してください。
今回はアルミを貼るので少なめです。

アルミテープはヤスリでウロコを刻みます。
この辺もお好みで。


P6067915.jpg


ヤスリが無い場合は、定規と安全ピンなどの針を使って、
1本1本書くという手もあります。


ボディーにアルミテープを貼ります。


P6067916.jpg


エラ蓋に素のアルミテープを貼ります。


P6067917.jpg


カットは凹凸の境目をよく見ながら
カッターでカットします。
エラ蓋のラインを入れるときは
ドライバーセットのスピアー状のやつありますよね?
名前は知りませんが、それを使って入れてます。


ボディー全体を貼り終えるとこんな感じ。




P6077918.jpg




長くなったので
今日はここまで。


次回に続きます!!



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コメント 5

小人

角砂糖はもう飽きた…次はチョコ食いたい( ̄0 ̄)/ゴディバがいいな!
by 小人 (2013-06-10 15:47) 

DD

ジョイント系は改造、ハンドメイドともに色々やってきましたが、
ジョイント方法をどうするか悩むことが多かったです。
自分はジョイント方法だけでも5種類ほど試しましたが、
改造にはアルミアングル、ハンドメイドではステンレスワイヤー。
ただ、もっと効率的に、そして見た目や強度等まだまだ考え中ですね。

後、ジョイント数ですが、今まで遊びでルアー改造で7連、
ハンドメイドでは5連ジョイントまで作りましたが、
個人的には2連、3連のジョイント数のルアーの動きがいいです
後、ジョイント数を増やすとウエイトの位置やジョイント方法の工夫、
どうしても手間がかかりますし、結果として動きも難しいですね。

後、テールに関しては最初はポリカーボネートにしてましたが、
最近はテールも含めたテンプレートを作り、全て木材から削ってます。

それと自分はいつも顔の整形がヘタっぴです。
tisaさんの作品はどれもきれいで流石です。
by DD (2013-06-11 07:38) 

MYGのA

私も小人に仕事してもらおうと思いましたが、間違って『あたりめ』を置いたところ、トップコート黄変させられました…。

ジョイントのビッグベイトは手間かかりそうですね〜。
自分はそっち系の釣りが苦手なので、釣った事も無いし作ったこともほとんどないので、また一緒に釣りした時にレクチャーお願いします!
by MYGのA (2013-06-12 07:44) 

tisa

>小人さん
贅沢になりましたね…。
ガムシロップでなんとかお願いしたくm(_ _)m

>DDさん
市販品の改造はやったことないですが、
ジョイント方法を考え出すと、
いろいろな方法が出てきますよね!

私的にはツイストワイヤーでシンプルなものが
一番良いという結論に達しました。
まあ、将来的には変わるかもですが…(^^;)
分割数は、私も2ピースか3ピースが
バランスが良いと思ってます。
テール素材も悩ましいところですが、
ソフトな素材の方が動きを妨げないですし、
加工も簡単なので、多用してきました。
ただ、最近はポリカ製もいいな〜と思ってて、
好んで採用しています(^^)
木を削って作るのも楽しそうですね♪

>MYGのAさん
あたりめ…なぜゆえにあたりめ(笑)
それは黄変させられますよ!

ビッグベイトは私も未体験ゾーンで、
MB-1クラスのビッグミノーサイズなら
お手軽に使えると思いますよ!!
八郎潟での実釣でお見せ致します(^o^)/

by tisa (2013-06-12 14:26) 

あん!

明日はホームセンター行きだな!!ww.


by あん! (2017-02-25 00:36) 

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